クロージング

yumeyumehikou-05052010-12-20

佐渡市長の高野宏一郎です。

 昨日(18日)に続いて、国際生物多様性年クロージングイベント2日目の記念シンポジュームが開催されました。昨日紹介された生物多様性条約事務局長ジグラフ氏の挨拶に続いて谷本正憲石川県知事(昨年お忍びで佐渡のトキ繁殖ケージを視察された)がプレゼンテーションを行い、石川の挑戦として「命あふれ、トキが舞う里山里海を未来の世代へつなぐ」と宣言されました。

 その後、武内和彦国連大学副学長が「国際生物多様性年を振り返って」と題してスピーチされ、その中で、佐渡能登を今回FAO(国際連合食料農業機関)のGIAS(世界重要農業資産システム)の認証を得るよう申請を行った旨を発表されました。もしこれが認められると佐渡は申請中の世界文化遺産ジオパークと並んで「保護保全すべき佐渡の農業のあり方」として世界に発信できることになります。

 1200年の金銀山の歴史の中で、米の価格は本土に3倍したと伝えられていて、金銀山の富は米価格の高騰という形で農家には富をもたらし、豊たかな生活は農業社会に文化(能を始めとする伝統文化)を興しました。その結果として耕して天に到る棚田を残したのです。

 山間地の狭隘な田畑は、金銀山の衰退後も島ゆえ(金銀山に代わる産業がない)に今日まで飯米農家の自家用米生産が行われ、飯米故に農薬を嫌う田んぼの耕作は、多様な生きもの達の楽園として最後まで残って、佐渡をトキの日本最後の生息地にしたのでした。(写真は佐渡のGIAS申請を発表する武内和彦国連大学副学長)