第9回トキ野性復帰専門家会合

佐渡市長の高野宏一郎です。

 昨日10日、新潟市のホテル新潟で第9回トキ野生復帰専門家会合が開催されました。これは、トキの放鳥後予想もしない出来事が続発して、特にメス4羽が本土に渡ってしまったこと、1羽はついに宮城県角田市まで飛んだこと、3月10日村上にいたNO.13が3月31日には驚くことに佐渡に戻り元のさやに収まったこと。県や市が本土に渡ったメスの取り戻しを国に要望したことなどを受け、急きょ開催が決まったものです。

 正直いってこのような結果になるとは誰も想像しなかったことでしたので、戸惑いは隠せず、しかし捕獲移送はむつかしかろうということで意見は一致したところです。

 またこのように群をつくれない放鳥の仕組みに対しては反省から、今年はソフトリリースで行うことに決定して、そのやり方についても、餌場を固定してケージから自然に離れるのを待つべしという意見と、いや放鳥してしまえばあとは戻らないようにケージを撤去すべきという意見が同じ研究者でも、現場に近い立場をとるもの、理論上の是非で発言されるものなど、様々でした。

 生き物を扱う難しさを感じた会合でしたが、中国からきた蘇氏の意見は現実を踏まえ、且つ実績に裏打ちされた確かさが伺われました。