新潟のトキと分散飼育

佐渡市長の高野宏一郎です。

 18日お天気がいいので新潟市秋葉区(元新津市)にこのところ留まっている佐渡のトキに会いに出かけました。汽船から30分、市街地をはずれてしばらく進むとと、たくさんの人々がカメラや双眼鏡を並べている現場に着きました。

 かなり以前の土地改良の田圃地帯で、コンクリートの排水溝にはそれでもあちこちにタニシを見つけることができて、心配した餌は今のところ問題はなさそうでした。聞いてみると排水溝が深く、その中に入って餌をとっている最中で見えないが、そのうちでてくると教えられました、その通りで1時間ほど待つと遙か1.5キロほど離れた田圃に現れました。

 すっかり薄汚れた姿でしたが、羽つくろいをしているトキを双眼鏡で確認し、その場を離れましたが、このあたりは冬には猛吹雪にさらされるところで、これからが案じられます。

 そういえば本日(19日)は環境大臣佐渡のトキの分散飼育の分散先を発表しました。以前から佐渡市民の感情を逆なでしないで欲しいとお願いしていましたので、要望どおり、約束は守っていただけそうです。しかし今までの頭ごなしのやり方を考えると、市民は不安だとの意見を受けて、お願いと約束の再確認をお願いして、夕方、市長のコメントを出しました。内容は

 「トキ飼育の歴史のなかで、分散飼育が決定したことは新しいステージへ踏み出したことで、喜ばしい。我々も協力していく。同時に以前から要望を出していたように市民感情に充分配慮した野性定着後の分散時期決定や分散飼育先との交流などの必要性を理解していただいたことを評価する」

でした。そのほかの要望で、島民が放鳥されたトキを支えるために今までに我々が不満だった、「トキと近くふれあえるの施設」や島民による飼育の必要性についても充分理解していただけたことでした。