トキのデコイ

 佐渡市長の高野宏一郎です。

 トキが放鳥されて既に2週間が過ぎました。一昨日も小木に立ち寄ったところ、1羽は沢崎まで飛んでいるとのこと、10羽はばらばらで今は刈り取り後なのでどこにも(ケラなどが好物だそうで、今はいっぱいいます)餌の虫はいるのでいいのですがもうすぐ冬です。

 それまでに格好の餌の潜む水辺を探さねばなりません。新穂周辺には人工の魚のすむ水辺はありますが、まだ今年は「トキと住む郷認証」の田んぼにも生き物の影はそんなに濃くはありません。

 当初市では5体のデコイ(トキとそっくりのモデル)を作って餌場を教えようとしました。しかし専門家はしばらく「野には置かないように」とのことでまだ市長室に飾ったままです。

 ばらばらになったトキは一生懸命仲間を探しています。仲間がいなければ不安で危険です。餌場の情報も少なくなります。また人間はあんなに高く飛べばそのうち見つかると思っているかも知れませんが、20mくらいの高さ(当初飛び立った時にはそのくらい、洋県では40ー50mくらいの高さで飛んでいた)では森が障害になってお互いを認識するには難しいのです。

 10羽の放鳥だけでは佐渡は広過ぎます・・。遅いかも知れませんが、今彼らが必死で偵察飛行している間に冬場の避難場所と仲間作りのためのデコイの出番を待っています。