佐渡のこれから

 佐渡市長の高野宏一郎です。

 米リーマン・ブラザース破綻から世界同時恐慌となり、中川財務・金融相が出席してワシントンで開かれたG7は金融市場安定のため、かっての日本にならって公的基金を金融機関に注入することも決定して金融危機を回避するのに躍起です。
 あのトヨタでさえ大幅減益が見込まれる中、今後佐渡がどのような影響を受けるかが心配です。

 反面、4人の学者が一挙に4人ノーベル賞を受賞したり、佐渡ではトキの試験放鳥成功や世界遺産暫定登録決定など明るい話題があって、落ち込む心を奮い立たせてくれます。

 美しい島づくりの佐渡は、大きく動き出しました。特にトキ放鳥や、洞爺湖サミットのメインダイニングに飾られた佐渡の大杉は島の存在感を見せつけました。いま全国から、環境を重視する佐渡市と提携を望む団体・大学のお誘いがめっきり増えました。

 これから国県と協力して電気自動車のモデル地区として実験を始めますが、充電の拠点を各支所に置くことやレンタカーの利用をお願いして、トキを見るツアーなど企画は盛りだくさんです。

 勿論佐渡の発電は98%が化石燃料ですが電気自動車の効率がよく同じガソリンの値段で4−5倍走ることで採算が取れること、そして太陽光発電などと組み合わせて、地球温暖化防止に協力するなど、最終的には佐渡で使うエネルギーは佐渡で賄う構想を打ち立てていきます。

 このような構想が産業振興や企業、大学の誘致に効果があると期待されます。そしてその発信が佐渡を環境で世界トップランナーに成長させる原動力になると信じます。