佐渡金銀山、暫定記載決定後
佐渡市長の高野宏一郎です。
世界遺産暫定リスト記載が決まって喜びのまだ覚めやらぬ前に先輩石見銀山から厳しい見方が伝わってきました。
最初に報道されたときから島根県の教育委員会は大きな戸惑いを感じていると報道されてわれわれを心配させていましたが、現地の新聞にはその後大きく報道され、次第に様子がわかってきました。
島根県の教育長のコメントも報道され
1)・・・・・・・・・、島根県と地元大田市の意向を充分聞き調整がな されないままに石見との組み合わせによる佐渡金銀山の暫定一覧表への記載という方向付けがなされたことには大きな戸惑いを感じており、島根県としては、現時点ではこれについて受け入れる状況にはありませ ん。
2)もとより、・・・・・、同じ鉱山遺跡として協力を惜しむものではなく、鉱山技術の 伝播などの一層の比較研究を協働して進める必要があり、文化庁からの説明も聞く必要があると認識しています。
3)石見銀山遺跡は、文化庁など国の絶大なる尽力を得て、10年余にわた る県民が一丸となった取り組みにより、昨年、世界遺産登録を果たしたところです。
3)島根県と大田市は「石見銀山遺跡とその文化的景観」を今後どう展開 していくか、県民はもとより登録に関わった関係者の意見を十分聞く必要があると考えます。
(一部省略して転載)としています。
私は26日発表の後、すぐ大田市の竹腰市長に電話をいれこのような決定があったので、お伺いして正式にお願いしたいと申し入れましたが、文化庁からの説明がもうすぐあると思われるのでその後にしてほしいということでした。
なお、他の地元新聞報道によると
島根県と大田市ではこの判断を疑問視し、石見銀山の世界遺産登録にいたる地元の取り組み経緯を汲み取るよう求めた意見書を文化庁に送付。県教委幹部は「文化庁の安直な判断。石見銀山の価値が薄れてしまいかねず大反対だ」と憤慨した。と伝えられています。(山陰中央新報9月27日付)
どのようないきさつがあるのかまだわかりませんが、石見銀山との「拡大・統合」の形が、石見銀山のコンセプトと相容れない形であるとして、納得が得られないのかも知れません。今後新潟県とも打ち合わせを密にしてもし食い違いがあれば調整を重ねる努力を続けていきたいと思います。